実際にいくつかの幼稚園に足を運ぶと、それぞれの違った特色や雰囲気を感じ取ることができます。決めていく時に何より大切なことは、その園がわが子にあっているかということです。
まずはあなたの大切なお子さまと向き合ってみましょう。お子さまは、どんなことが好きでしょうか?元気に体を動かすことが好き、お家でゆっくり落ち着いて過ごすことが好き、性格的にはどちらかといえば活発かな、どちらかといえばマイペースでゆったりとした行動を好むかな、などなど…

幼稚園の教育スタイルは、大きく分けると
◎自由保育が基本(子ども達が自由に遊びや活動を選ぶ環境があり、子どもの主体性が重視されている)
◎一斉保育が基本(設定されたカリキュラムに基づき教師が活動を進めていく。子どもの集団・規則意識を促す)
の2タイプとなります。ただ、2つをバランスよく組み合わせて日々の保育を行っている所はありますし、また、自由保育と一言で言っても『モンテッソーリ教育』や『コーナー保育』など、保育の仕方はそれぞれの園で違います。つまり、実際には単純にこの2つのスタイルにきっぱり分けることは難しいのですが、大まかに分けると、ということになります。そしてどちらが優れていてどちらが劣っているということはなく、どちらがその家庭の方針やお子さまの気質に合うかということ選んでいく必要があります。
一斉保育が基本の園においては、日々の造形活動や歌に加えて、さらに様々なお稽古事が取り入れられていることも多いです。具体的には体育活動・英語・リトミック・フラッシュカード・文字指導 などなど。専任講師がいることもあります。幼稚園に通いながらこれらを学べることはとても魅力的ですね。いろいろな活動を経験することで、得意なことや好きなことが増えて生き生きとしたり、時には才能が開花するお子さまもいらっしゃったりします。しかしながら、お子さまによっては、決められた活動にやや強制的に参加しなくてはならない環境を窮屈に思うこともあります。
自由保育では、外遊びの時間が多く、自主的にのびのびと遊べる環境が整えられています。自然に恵まれた魅力的な園庭があることも!活発に体を動かすことが好き・自由な発想を持ち、好きなことにはとことん没頭する―こんなお子さまには大変良い環境に思います。先生方も、一人ひとりの個性をより尊重してくれる傾向があります。ただ場合によっては、一斉保育の園に比べると、規則や集団意識の芽生えはやや乏しくなるかもしれません。
この選択も、もちろん間違っていません。実際に、座ることが難しかったお子さまが、入園して集団生活を学んだことで、話を落ち着いて聞くことができるようになることは多いですし、その姿を保育参観で見て、成長ぶりにびっくりする親御さんもいらっしゃるほどです。しかし反対に、座って話を聞くことや、皆で一斉に物事に取り組むことにどうしても苦痛を感じ、園に馴染めない、さらには先生から落ち着くように注意を促されてばかりで次第に自己肯定感が低くなっていく…ということもあり得ます(やや極端に話しましたが)。
じゃあ、結局、どちらにしたらいいんだ!
そうですよね、正解はないので難しいところです。見学や体験会などに参加した時のお子さまの様子で判断することもおすすめです。お子さまがその園を気に入った時には、なかなか帰りたがらなかったり「また行きたい」とお話ししてくれることもあります。

